LOVER ALBUM クラムボン


LOVER ALBUM

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原田郁子の歌声は良い。とても良い。しっとりと癒されるような感じで、それでいてウキウキと心を弾ませてくれる。そんな魅力的な歌声が奏でる名曲達が、素晴らしくないわけがない。(ファンの方には)ライブなどで以前からお馴染みの矢野顕子フィッシュマンズのカバーをはじめ、YMO岡村靖幸真心ブラザーズ、果てはビートルズまで、楽曲提供者にはそうそうたる名前が連なっている。


しかしなあ・・・ネットでみなさまの様々な感想を拝見していてもあったのだけれど、「サマーヌード」と「Across The Universe」の二曲の作り方・聴かせ方は、賛否両論分かれるところだろう。メンバーとの会話や笑い声まで収録され、まるでカラオケでも歌っているかのように、歌唱中にまで笑い声が混ざっている様子は、聴く人が聴けば「楽しそうでいいな。クラムボンの音楽は楽しくなくちゃ」と思うかもしれないし、ある人は「商品として人様に聴かせる音楽を作っている姿勢が見えない」と苛立ってしまうかもしれないし、またある人は「サマーヌードやAcross The Universeに失礼だ」と落胆するかもしれない。


残念ながら私は、否定的な意見のほうです。他の楽曲が素敵なだけに、この二曲が誠に残念でならない。「ナイトクルージング」や「カルアミルク」・「おだやかな暮らし」など、じんわりと心を動かされる素晴らしい曲に仕上がっているのに。