東京に出てきた頃のこと


地方の片田舎から、東京に出てきたばかりの頃を思い出した。


無駄に人ばかりたくさんいて、心底うんざりした。また、こんなにたくさん人がいるのに、自分は一人きりで、楽しそうな人たちを横目に、孤独感ばかりが募った。人混みに対する嫌悪と、楽しそうな人たちを目にし孤独が浮き彫りになるのが嫌で怖くて、必要最低限の外出しかしなかったこともあった。慣れてしまえばなんてことはないのだけれど、出てきたばかりの頃は、それはもうつらかった。


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すみません、嘘をつきました。ほんとうは、まだ慣れてなんかいないです。あと10年住んでいても、慣れることができるとは思えない。たまに、何もかも放り出して東京から遠く離れたくなる。