遅刻という病

「私の遅刻は不治の病だから、いくら注意されても治らない」と言われたことがある。10分前行動が基本の私には、まるっきり理解ができなかったので、「それじゃきみは、両親の葬式でも遅刻するの?何年もかけて一生懸命勉強してきた試験の当日でも遅刻するの?」と、ひどく問い立てた。彼女は、「あんたには分からないよ」とでも言いたげな、冷めたかなしい目をして、黙ってしまった。


今、3時間以上「待つ」という行為をしていたら、ふとそんなことを思い出した。待つのはきらいだ。「もし来なかったらどうしよう」と想像して、かなしくなるから。期待して裏切られることを想像してしまうから。