ばあちゃんが死にそうだ

ばあちゃん。大好きなばあちゃん。


甘辛いカレーを作るばあちゃん。物腰柔らかそうに見えて、頑固なばあちゃん。古い価値観で凝り固まったばあちゃん。あんまり人の話を聞かないばあちゃん。たまに帰ると、すごく嬉しそうに笑うばあちゃん。「孫はまだか?」と、しつこく聞いてくるばあちゃん。とてもちっちゃいばあちゃん。カラオケが大好きなばあちゃん。訪ねた時はいつも、食べきれないくらいたくさんの夕食を作ってくれたばあちゃん。沈黙が苦手なばあちゃん。優しい、ばあちゃん。


「お前は頭がいいから」と、「お前はうちの誇りだよ」と、事あるごとに褒めてくれたばあちゃん。肉親で私のことを褒めてくれるのは、たった一人、ばあちゃんだけだ。どんな人間が上等かなんて、一概には言えないかもしれないけれど、ばあちゃんは間違いなく上等な人間だと思っている。私の寿命を全てあげたい。私なんぞが酒にまみれて生きのばしているよりも、ばあちゃんみたいな人が生き続けるべきだと思う。


生きてほしい。ばあちゃんの甘辛いカレーが食べたい。