なんだか人生をサボっているような気がする今日この頃。

相変わらず唐突で申し訳ないのだけれど。


先日知人から、「ゼロ地点を“死”におけば、生きているだけでプラスなんだから、それで十分」といった趣旨の話を聞いた。生存第一主義というか、“生きているだけで丸儲け主義”というか。理想はあるけれど、別にそれには固執しない。幸せでいたいことはいたいけれど、それほど多くは望まない。特別に欲しいモノもなく、異性に対してもあまり執着がない。貧乏でも、自分がやるべき仕事があって、寝床があって、本が読めて、タバコが吸えればそれでいいのだと。なんだか達観しているなあ、すげえなあと思って、はなしを聞いていた。みなさまは、こういった考え方というのは、どう思いますか?すんなり馴染むものか、理解できないものか、あるいは「そうだよなあ」と共感できるものか。


私は、今までずうっと、ゼロ地点を「自分の理想」においていた。だから、理想に到達しないとマイナスなわけで、でも、理想に「到達する」なんてことは、おそらくありえないだろうことなので、常にマイナスの状態に身をおいていた気がする。


(迫ればせまるほど、どんどん高くなっていきますからね。この理想ってやつは)


しかし最近、どうもこれはうまくないなあという感じを、漠然と持つようになっていた。なにがうまくないのかってえと、すごく疲れるのですよね。「自分の理想がゼロ地点」といったスタンスで生活していると、必然的に“何事も頑張る”ようになる。報われなかろうが何だろうが「努力して自分を向上していこう」と思い、三歩進んで二歩下がる状態でも、少しでも「成長した!」と実感できるのであれば、それがいいのだと思っていた。少しでもゼロ地点に近づいていきたいという想い。私にとって“ゼロ地点”とは、始まりであり終わりであり、頂点だった。


そんな私に、知人のそういった考え方とスタンスは、とても新鮮だった。「全ては捉え方次第だ」と歌っていた人気グループさんがいたけれど、まさしくそのとおり。そんな風に捉えられたら、もっと楽に人生を満喫できるのかな。人生=苦しいじゃなくてもよくなるのかな。そう思った。


でもって、最近それを実践しようと思って悪戦苦闘している。まだ試行錯誤の段階だけれど、しかしながら思うのは、なんだか人生をサボっているんじゃないかってこと。理想を追い求めないと、どう生きていけばいいのかよく分からないってこと。どんどんダメになっているような、どんよりとくぐもった焦燥感が下っ腹のあたりに居座っていること。低い自己評価を、努力でごまかせないってこと。


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あのひとみたいに「ダメな人だって言われたら、そうかもしれないなあ」と、さらっと笑って言える日が、いつか私にもくるのだろうか。