やさしい花の咲く場所 奥華子
最近では、名作と評判高いアニメ映画「時をかける少女」の主題歌を歌っている彼女。当アルバムにも、JR東日本のCMで使われている「帰っておいで」や、JA共済のCMで使われている「やさしい花」と、二曲もタイアップ曲が入っております。そういや、前はTEPCOひかりのCMでもなんか歌ってましたね。オリコンなどであまり名前が出てこないので、ちょいとマイナーなイメージだったのだけれど、こうやって考えてみると十分過ぎるほどメジャーなアーティストさんだ。
今回はじめて聴いたのだけれど、まず思ったのは「コンセプトとキャラ作りが非常にはっきりしているな」とゆうこと。ズバリ癒し系。川嶋あいのような歌の雰囲気に、森高千里の歌声みたいな独特の癖が少々感じられる。ピアノ一本の優しい曲調も相まって、疲れた時に飲むあたたかいココアのような、じんわりと胸に染み入る曲が多いです。人によっては、独特の甘ったるい感じが苦手に思えるかもしれないけれど。
魅力的な声質と徹頭徹尾“癒し”で統一された曲達は、なかなか好印象だったのだけれど、ひとつ残念に感じてしまうところがあった。それは、歌詞の存在感がちょいと薄めなこと。本当に、いわゆる“売れ筋の曲”の歌詞で、聴いていてイマイチ面白味に欠ける。でもあれかな、優しくほんわりしたイメージだから、このくらい薄い歌詞のほうが聴き易くていいのかもしれない。
