太陽の中の生活 THE BACK HORN

太陽の中の生活(初回限定盤)(DVD付)

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インディーズ時代から数えると7作目になるのか。二ヶ月ほど前に発売されたバックホーンのニューアルバムです。


私のレビューを見ていただく前に、もし可能であればリンクを辿ってAMAZONさんの中のレビューを拝見してみて下さい。(これを書いている時点で)4人の方のレビューが掲載されているのだけれど、どれも「なるほど」と思える内容だ。ちょっと商売ちっくな香りがしないでもないですが。


さて、それでは私の感想。カオスダイバーやアポトーシスはキレ味鋭いカッコイイ曲で、ホワイトノイズやゆりかごは綺麗でゆるやかな曲、天気予報は意表をつかれた感じの独白入りで、最後の「初めての呼吸で」は、狙って作られた素晴らしい名曲といったところか。完成度の高いシングル曲を、個性溢れる実力派の曲達が脇を固めた佳作アルバムだ。


と書いてみたけれど、最初聴いた時の率直な感想としては「あー、バックホーンはもう立派にビッグネームなんだなあ」と、残念に思った。素晴らしき名曲の「初めての呼吸で」も、一聴すると激情的な3曲目「証明」も、全く心に響いてこない。役者の揃った佳作アルバムなんぞは、どこぞのビッグなアーティストさんに任せておけばいいじゃんと思ったのだけれど、あれですかね、もう既にバックホーンは「役者の揃った佳作アルバム」で音楽業界を引っ張っていくようなビッグネームなんですかね。前々作「イキルサイノウ」と前作「ヘッドフォンチルドレン」でも一部垣間見えた「新しいバックホーン」とやらが、今作ではありありと明確に提示されている。もう「人間プログラム」の頃のTHE BACK HORNの面影はどこにも見当たらない。


アマゾンさんのレビューの中で

人間プログラムのころのバクホンはこんなんじゃなかった、とか悲観的に見る人もいるだろう。

5回聴け。

文句たれるのはそれからにしろ。

と書いてあったので20回くらい通して聴いてみたのだけれど、非常に残念ながらそんなに印象は変わらなかった。今は、「一つ一つの楽曲としては洗練されているし、アルバムとしての構成も見事だし、マスコミ受けもしそうだし、商業的にはうまくやってるのだろうな、それが成長とゆうものなのだろう」と無理矢理自分を納得させようと躍起になっております。


・・・色々書いてきたけれど、完成度の高いアルバムである事は間違いないと思うので、ひょんなところからバックホーンを最近知った、みたいな方は是非聴いてみて下さい。上記のは“流れ作業についていけない黒夢のファン”みたいな人間が書いている戯言ですので。